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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密

路地を折れてからは、点在する外灯と家々から零れる僅かな光だけが頼りだ。自宅までは、まだ二十分くらいの道のり。走ろうとも思ったけど、おしっこを我慢しながら走るのは不安しかない。できるだけ早足で、自宅を目指すしかなかった。
「……」
歩いていると、なんだか背後から見られているような気がした。でも立ち止まって、振り返ることはしない。
なにかあったら、スマホで緊急通報を……。あれって普通に『110番』でいいんだよね? ああ、我慢の限界すぎて……そんなこと考える余裕、ないかも。
振り返った時、誰かが後ろにいたら、そのショックで漏らしてしまうかもしれない。そんな風に思った私は、とにかく前に進むしかできなかった。
公園の前に差し掛かったのは、そんな状況の時――。
「……!」
私は公園の前で立ち止まり、激しく葛藤していた。でも、いつまでもそうしてもいられない。早く決めなければ。
あと自宅まで五分くらい、このまま我慢して歩くのか。それとも公園のトイレに、寄っていくのか。
その公園は自宅の近くということもあって、小さい時によく遊んだ馴染みの場所ではあったけど、夜風に木々がざわざわと揺れる薄暗い園内は、とても懐かしさを感じさせるようなところではなかった。
でも……もう、ホントに無理。

