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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密

結局、私は公園のトイレで用を足すことにした。外から覗き込んだトイレは真っ暗で怖かったけれど、入口のところにあるスイッチを入れると照明が灯り、その光が私をほっとさせるのだった。
私がトイレに立ち寄ったことを後悔するのは、用を足し終えて手を洗っていた時――。
「きゃ……!」
細い悲鳴を上げたのは、急に照明が消えたから。真っ暗なトイレの中で、私は息を呑んだ。
すると――
「どーも、こんばんわ」
「!」
女子トイレであるにも関わらず、その男たちは気にする様子もなく押し入ってきた。そうして洗面台の前で怯える私を、複数人で取り囲んだ。
「なん、ですか……?」
ようやく音になったような声を出し、私は首だけを少し回して後ろを振り向いた。その時、外からの月明かりが、金色の頭髪を照らしていた。
間違いない。コンビニの前にたむろしていた男たちだ。そう認識した私に、金髪の男が言った。
「ちょっと、俺たちにつき合ってくれよ」
……あ!
その声を耳にした時だった。私の脳裏に、さっき同じ金髪の男が言った言葉が、リフレインされた。
『幼くて、ちょうどいい感じかもな。しかも、絶対処女(・・)だろ』
聞き取れなかったんじゃない。私の頭が理解することから逃げていたんだ。
そう気づいた私は、もう怖くて怖くて、意識を保つのがやっとだった。暗闇の中で、自分の両足がガクガクと震えていたことだけは、よく憶えている。

