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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


「……」

 閑静な夜の住宅街の中、私は四方を男たちに囲まれるようにして歩いていた。隙をみて逃げ出したり、大きな声を出すのは、もう無理だと感じながら。なぜなら――

「ど……どこまで、行くん、ですか?」

 声は上擦った涙声を、途切れ途切れに発するので精一杯だったし。

「もう、近くだ。だから、しっかり歩けよ」

「す……すみ、ません……」

 背中を突くように押されたのは、足がガクガクと震えて満足に歩けなかったから。こんな有様では、とても走り出すことなんてできなかった。

 スマホが入ったバッグは、隣を歩く男に取り上げられている。電源も切られてしまった。せめて、誰か通りかかれば。そんな期待も虚しく、やがて私はとある一軒家に連れ込まれるのだった。

 私の住む家とは違って、とても広くどこか上品だ。こんな家を豪邸と呼ぶのだろうなと、呑気にそんなことを思っていた。この男たちの一人の家なのだろうか。だけど、どうやら違うみたい。

 家に入る時、男たちはこんな会話を交わしていた。

「アイツ、素直にカギ渡したか?」

「いや、最初は渋ってたぜ。でも陸矢さんの名前出したら、この通り」

 ドアの前に立つ男はカギを他の男に見せてから、それを鍵穴へと差し込む。

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