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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密

「へへ……今頃、呼び出されてビビってるだろうなぁ」
「つき合ってたのがバレただけでも大変なのに、その上に、なあ?」
「どうせ、誘ったのは朱海の方だろ? あのエロ猫」
「まあ、金持ちのボンボンには、手に余るってことだろ」
「しかし陸矢さん、アイツのことどーする気かね?」
「本来ならボコボコにするくらいじゃ済まねーけど。いずれにしても遅かれ早かれ弱味を握った時点で、親のところ乗り込むつもりだったはず。それまでは小銭だけ受け取って、泳がしてたわけで」
「今回は事情も事情だ。はした金じゃ済みそうもねーな。ところで、アイツの親のこと、なんか聞いてるか?」
「いや、その辺はこれかららしいな。だけど、高校生にしてこの家だぜ。ハンパな金持ちじゃねーよ。陸矢さんが直々に追い込みかけるぐらいだから。まあ、それも朱海の件があるからだが」
「久々に、マジギレだな。少しだけアイツに同情するよ……」
私には、その話の内容はチンプンカンプンだったけど、『りくや』という名の人と『アイツ』と呼ばれる人の間に、『アケミ』という女の人を巡って諍いがあったことだけはなんとなく理解することになった。
だけどそのせいで、まさか無関係な自分がこんなところに連れてこられているなんて、そんな風に考えるわけもない。
「とりあえず、その辺に座っとけ」
「でも……」
「いいからっ!」
「きゃっ……!」
肩を乱暴に押され、その勢いで一人掛けのソファーに倒れ込んだ。それからは、長い時間をそこで過ごさなければならなくなった。

