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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密

私が最初に通された場所は、リビングだった。その中央に置かれたローテーブルを囲うソファーの片隅に私が座らされ、その正面に金髪の男、その他の男も飲み物を口にしながら、適当に腰掛けていた。
仲間の内の一人が常に入り口のドアに背をもたれて立っていたのは、私を逃がさないようにするためだろうか。スマホの入ったバッグは、どこに置かれているのか、周囲には見当たらなかった。
この先、私はどうなるのだろう。不安ばかりが募る。私はビクビクしながらも、男たちの様子を窺い、そして時々その会話を耳にするくらいしかできなかった。
「陸矢さんには?」
「今、連絡する。その前に、好みに合うかどーか、お伺いを立てるか。オイ、こっち向け」
「え?」
金髪の男は、スマホのカメラを私に向けた。そして、こんな風に言う。
「笑え。できるだけ可愛く見えるように」
「そんなこと、言われても……」
「いいから、早くしろ!」
その様に、恫喝されて――
「は、はい……」
その時、どんな顔をしたのか、自分でもわからなかったけど。
――カシャ!
「……チッ、まあいいか。普通っぽい方が、この場合いいのかもしれねーし」
金髪の男は言って、スマホを操作すると、どうやら私のその画像を送信したようだった。たぶん『りくや』という人に。
いつまで、ここにこうしているのか。その答えは、なんとなく出ていた。それは『りくや』という人が、この家を訪れるまで。たぶん、それまでは、なにもされないのだろう。でも、その後は――?
リビングの棚の上にはアンティークな置き時計が、赴き深い音を鳴らしながら刻々と時を刻んでいた。
お母さんは、そろそろお仕事終わった頃かな。お父さんは、まだもう少し遅くなるのかもしれない。蕾と幹也は、お風呂入ったり宿題やったり、私がいなくてもちゃんとしてるかな。
みんな私が帰らなくて、連絡もなくて、そろそろ変だと思っているんじゃない……?

