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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


「!」

 私はビクリと全身を振るわせたのは、インターホンの音色が響きわたったからだ。そして男たちにも、そこはかとなく緊張感が走ったようだ。

 たぶん、やって来たのだ。『りくや』という人が。

「……!」

 恐る恐る身構えている私の前に、その男は登場する。リビングに姿を現したのは、髪が長いこと以外、特に特徴のない人。他の男たちのように、柄の悪い感じはなくて、細面でどちらかといったら繊細そうなイメージに思えた。

「どうでした?」

「認めたよ。朱海とのことはね。でも、肝心なことを確認する前に、邪魔が入ったんだ」

 他の男の態度からして、やはりこの人が『りくや』らしいけど、話し方や雰囲気からは怖い印象はなかった。

 私に対しては話しかけてはこないし、まだ存在すら認識してないようだけど、もし目が合った時には「許してください」と泣いて懇願してみよう。この時点では、話の通じない相手には見えなかった。

「邪魔って、どういうことっすか?」

「大人の女性だった。僕と涼一くんが話してる席に割り込んできたかと思えば、そのまま彼を連れ去ってしまったんだ」

 りょういち? 『アイツ』と呼ばれていた人、その名を聞いたのはそれが初めてだった。

「それで陸矢さんは、そのままその女を見逃した――」

「?」

 金髪の男が急に言葉を止めた理由が、よくわからなかった。でも、なぜだかその表情は青ざめていた。

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