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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第2章 コーヒーはブラックで


 高坂さんは頷き。

「ま、一応は同じサークルの所属だったし。その中で、暇そうなメンバーを集めたんじゃないかな。それにしたって、妙だと思わない?」

「妙とは?」

「だってさぁ。いくら宿泊費がタダだからって、普通こんな別荘に二週間も泊まる? ウフフ、合宿じゃないんだから。そりゃあ、誘われた方も二の足を踏むよ。しかもそれが、超ド級のお嬢様からのお誘いとくれば、尚更じゃない?」

「だったら、高坂さんはどうして来る気になったの?」

「新幹線で東京から一時間足らず。気に入らなかったら、いつでも帰ればいいかなって」

「え、帰っちゃうのか?」

 そう聞いた俺に、彼女はにっと楽し気な笑みを返した。

「割と気に入ったから、もう少しだけお世話になるよ」

 屈託のない笑顔に、胸の奥に高鳴るものを感じる。

 話を終えると、俺は部屋を出ていた。だがドアを閉めてしばらくは、その前に立ち尽くしている。

「……」

 高坂文水にキスをされた鼻の頭を、そっと撫でた。

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