この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密





     ◆◆◆視点・岸本涼一◆◆◆


「――『さあ、これからだよ』と、男は言いました。その言葉を聞いた途端、視界は再び真っ暗になります。でも、月が雲に覆われたわけではありません。私の心がそれ以上の酷い体験から目を背けた、ということでしょう。だけど、感覚の全てを閉ざすことはできません。だから、その先は闇の中、なにをされるかもわからないまま、恐怖と苦痛に耐えることになります。そして――」

 自身の劣悪な体験。それを淡々と語り続けようとする夏輝木葉の姿に、俺は耐え難いものを感じた。

「な、夏輝さん」

「どうしました、お兄さん?」

「その……少しだけ、休まないか」

「そうですねー。話し続けて喉も乾きましたしー。なによりも――」

 そこで言葉を切り、夏輝さんは俺の頬を人差し指で突いた。

「――お兄さんの顔、こんなに真っ青ですもの。木葉ちゃん、ちょっと叙情的に語りすぎちゃいましたかねー?」

 そして、ニコリと微笑みを向ける。こんな話をしながら、どうしてそんな風に笑うことができるのかと思うほど、屈託のない笑顔だ。

「いや……俺が、どうこうではなくて」

 もちろん彼女の辛い過去の場面に、間接的にとはいえ関わっている俺には、彼女の話を最期まで聞き届ける義務がある。その上で、夏輝木葉自身にも向き合わなければならない。

 なにしろ彼女は「復讐」と口にしているのだから。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ