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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密

「ええー!? お兄さん、アレ!」
夏輝さんが急に窓の外を指さして、興奮気味に声を上げている。どうやら、その方向に遊園地のアトラクションの一部が見えたようだった。
俺とすればあと十分も走れば到着することは、当然わかって運転してきたわけだが。
「ああ、もうすぐみたいだね」
「だったら休憩なんて言ってないで、早く行きましょうよ!」
「う、うん……夏輝さんさえ、よければ」
さっきの話の流れから、もう遊園地どころではないような気がしていた。でも当の夏輝さんは、そうは感じなかったようだ。
「私が行きたいって言ったんだから、いいに決まってるじゃないですかぁ! さあ、レッツゴー!」
テンションの高い、いつもの夏輝さん。その様子を見て、俺はホッとしたのかもしれない。
逃げてはいられないと、わかってはいても。
その後、目的の遊園地に入園した俺たちは――。
「お兄さん、次はアレに乗りましょう!」
「わかったから。そんなに慌てなくても」
「慌てましょうよ! せっかく遠くから来てるんですから、角から角まで楽しまなくちゃ!」

