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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 俺は夏輝さんに手を引かれるようにして、園内を西へ東へとと連れ回されるのだった。

「夏輝さん……絶叫系の連チャンは勘弁してくれない」

「ええー、情けないこと言わないでくださいよー」

「頼むよ。苦手なんだ」

「しょうがないですねー。じゃあ、次はお兄さんが決めていいですよ」

「ありがとう。それなら、とりあえずこの辺りのエリアで――」

 そんな風にして、園内のマップを眺めていた時だった。

「苦手だろうと嫌だろうと、どうしようもない時だってありますけど」

「え?」

「いいえ、なんでも。それより早く決めましょうよ。時間がもったいないですから」

「あ、ああ……そうだね」

 夏輝木葉に対する負い目、それは確実に俺の中にはあって。過去の愚かな自分の行動が、結果としてまだ少女だった彼女の身体と心を酷く傷つけることに……。

 そして、今でこそ目の前に存在する彼女ではあるけど、俺はそれまで誰に対する負い目なのかも、わかってはいなかったのだ。だからこそ心の片隅でモヤモヤとくすぶり続けていた。

 当然、当の夏輝木葉を前にして、自分がどれだけ無責任だったのかと痛感せずにはいられない。俺が如何に負い目を感じ続けていたとしても、彼女が受けた理不尽すぎる暴挙の数々に比して、なにを言っても言い訳にしかならないだろう。

 過去には、全てを陸矢のせいにしてしたい気持ちもあった。だけど、あんな狂った男を一時でも近づけてしまったのは、俺自身の怠惰であり過ちだ。そして俺の中に罪悪が残る以上、それは紛れもなく罪なのだ。

 どう償えばいいのか。それを見出さなければならない。否、そんな風に思うことこそ、彼女の過去に対する冒涜なのか。

 それにしても、いくつかわからないことがある。一番の謎はどうして彼女が瑞月の友達として俺の前に現れているのか。もちろん偶然ではないだろう。それは彼女の行動や言動からも明らかだ。

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