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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
「そういえば、今日はデートでしたね」
「まあ、一応」
「じゃあ、もう少しそれらしくしません?」
「どう、したらいいの?」
「たとえば――ハイ、こーゆー感じ」
と言いながら、夏輝さんは俺の左腕に自分の手を絡めると、ピタリと身体を寄せた。腕を組んで寄り添うカップルの図を完成させ、彼女はご満悦のようだけど。
「夏輝さん、ちょっとくっつきすぎじゃ……」
「へへへ、なにか問題でも?」
「いや……胸、当たってるし」
「だって、当ててますもん。つっちーほどじゃありませんけど、私だってそれなりに――ホレホレ」
「やめろって!」
「アハハ! ほんの戯れですから、そんなムキにならないでくださいよー」
俺をからかって喜ぶ彼女を見て、どうやら平気そうだな、と思った。大体、作り物然とした遊園地のアトラクションなら、シンプルな暗闇を連想する場面も、逆にそうそうないのかもしれない。
「じゃあ、お兄さん、これくらいならいいですか?」
夏輝はさんそう言うと、身体の密着を少し控えた。
「まあ、構わないけど」
正直、まだ胸の感触は残っているが。