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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
△ △
そういえば、四年前。あの夜のこと――。
ホテルから家に戻った俺を出迎えた陸矢は、意外にもとても晴れやかな顔をしていた。
「お、涼一くん。帰ったのかい?」
「は、はい……」
それはもう、思わず呆気に取られるくらいに。
「あの五月女とかいう美人は、一緒じゃないの?」
「俺、一人です」
「そっか、じゃあよかった」
ローテーブルの上には何人もが飲み食いした後があるのに、リビングにいたのは陸矢一人だけだった。
「他のみんなは、どこに?」
玄関に靴が脱ぎ散らかされていたことを踏まえ、とりあえずその様に聞くと。
「ああ、二階だよ。まだ少し、かかるかなぁ」
陸矢は天井を見上げながら、その様に言った。
その時点で、妙な言い方だとは思った。
「あの陸矢さん……俺、陸矢さんとも、他のみんなとも、ちゃんと話しておきたいと思ったんです」
「それは結構だけど、代理人とやらは通さなくていいのかい?」
「はい……自分でけじめをつけようと思って」