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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


「さあ、どうした、涼一くん。遠慮なくやりなよ」

「そ、その前に」

「ん?」

「誰、なんですか?」

 俺はそう訊ねると同時に、陸矢の意識をベッドの方に向けた。その上でズボンの後ろポケットから、スマホを引き出そうと考えていた。

「さあ、誰だっていいだろ。その辺を歩いてた子。フフフ、なかなか可愛い子だったよ。その点は保証しよう」

「……」

「涼一くん、言っておくがキミには選択肢がない」

 そう言うと陸矢は、バールの先端をクルリと反転。V溝の入った鋭利な釘抜きの方を、改めて俺の眼前に突きつけた。

「これを思い切り顔面に振り下ろしたら、どうなると思う」

「……ッ!」

「僕は知ってるよ。やったことあるから。さあ、早く裸になってベッドへ行くんだ。僕たちの目の前で……朱海としたようにっ、やって見せてくれよォ!」

 朱海の名を自ら口にしながら、陸矢は内なる狂気をその言葉と歪めた顔に表した。最初に会った時の理知的なイメージは、もうどこにも感じられない。

 そして他の男たちも、ヘラヘラと薄笑いを浮かべながら、その内の何人かはスマホのカメラをこちらに向け続けていた。この後で、俺が名も知らぬ可愛そうな少女を犯す場面を、撮影しようということなのだろう。

 奴らに悟られることなく、左手はスマホを探り当てることができた。それを微妙に持ち替えながら、俺は二つのボタンを探り、それを長押しした。

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