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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
「だ、誰……?」
「お、俺は……と、とにかく、もう大丈夫だから」
「だい、じょーぶ……?」
「あ、いや……」
どう言葉をかけていいのか。ある意味で、狂気を滲ませた陸矢を相手にするよりも、俺は緊張していたのかもしれない。
「なにか、着るもの……とりあえず、その毛布を」
暗がりだから見えてはいないけど、彼女が裸のままであることは、そのシルエットからわかった。そして彼女は、自分で動くことができないようだ。
せめてベッドの下に、ずり落ちている毛布をかけてあげたい。そう思って、部屋に入ろうとした時だった。
「こ……来ない、で、ください」
「え?」
「乱暴なこと、するなら……お願い。もう、私に……近づかない……で」
「……」
俺はそのまま、部屋の入り口から微動にできなくなっていた。