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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
「夏輝さん……でも、俺は」
「もちろん、許してなんてあげませんよ。お兄さんは、私の手で、唯一復讐を果たす相手ですから」
夏輝さんは、楽しそうに言う。
「そう、だね。でも、どうして、あの時の人影が、俺だと?」
「きっかけは、ほんの偶然でした。たまたま炎上していたSNSの投稿を何気に見ていた時です。そのまま、その人の過去の投稿を見ていたら、その一枚に例の〝目力の人〟がチラリと写っていたことに気づきました。岸本英次という人。つまりそれが、お兄さんと瑞月のお父さんのアカウントだったわけです。それから少しネットで調べてみると、とある事業の立ち上げで岸本英次さんと〝目力の人〟が一緒に写っている画像を発見しました」
「瑞月のことも、親父のアカウントから?」
「そうですね。溺愛している娘さんがいることは、過去の投稿を見ていれば一目瞭然でしたし――あ、ちなみに私の見た限り、お兄さんのことは一言も」
「いいよ、それは!」
「あははは、ごめんなさい。で――投稿した画像の中に、制服の後ろ姿のものがあって、それがどうやら都内の名門私立の制服であることも、調べてすぐにわかったんです。そうなれば、あとは簡単でした。毎日超高級車で送迎されている、超がつくほどのお嬢様。いくら名門私立でも、流石に目立ちますものね」
と、本人は事も無げに言っているが、実際はそれを突き止めるために、かなりの労力を費やしたのではないか。それほど、執念を燃やした理由は、やはり――。