この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


「それで後に、同じ大学にまで入ったと?」

「ええ、当時の私の学力では、同じ高校は無理だと早々に諦めましたから。時間も足りませんでしたしね。それで岸本瑞月が、そのままエレベーター式に大学まで進むことを見込んで、こちらは高校時代に猛勉強して見事に合格したというわけです。同じ学部になれたのは、たまたまですけど」

「そこまでして、瑞月に近づこうとした理由は? いや、結果として、こうして俺に会うためなのかもしれないけど。いくら、その〝目力の人〟から、親父や瑞月に辿り着いたとはいっても、実際はお互いに顔も見てないわけだし」

「でも、あの人影が『涼一』である可能性は、高いと思っていましたよ」

 そう言いながら夏輝さんはスマホを操作し、画面にある画像を読み込んだ。それは、古い芸能記事。もう二十年近く前の週刊誌のものだ。

 それは親父が当時モデルをしていた母親と再婚した時のもの。その時、母親のお腹には瑞月がいて、親父の連れ子だった俺が一緒に写っている写真もあった。これも時代というべきか、その写真の下には小さく【ご子息の涼一くん(一歳)】と、ご丁寧にそう記載されていた。

「この記事を見た時に、すべてが繋がったんです。例の人影が、この男の子の成長した姿だったんだと」

「だとしても……夏輝さんにとっては、忘れたい過去のはずじゃ」

「その辺りは、心の中で切り分けてました。それに、私だって好奇心くらいありますからね。私の大学卒業までの学費を払っても、まだまだ全然使い切れないほどのお金を渡してまで、更には復讐を肩代わりしてまで、あの家であったことをなかったことにしたい。またそうできる人物とは、何者なのかと。すべては、あの夜、私の前に現れた人影――『涼一』を、守るためだったんですね」

 そう言われてしまうと、やはり引っかかってしまう。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ