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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
思わず肝を冷やしながらも、夏輝さんに聞いた。
「でも、結局はそうしなかったんだよね。それどころか、そのまま――」
「男の人って、ズルいですねー」
夏輝さんは、少し呆れたように言う。
「ズルい?」
「だって、そうでしょう。私はお兄さんに、言わば私のされたことの反対をしようとしているのに、お酒に酔ってたとはいえ、お兄さんは嫌がるどころか、途中からは寧ろ積極的に私の胸を揉んだりしてぇ」
「それは、面目ないとしか……。でも、それなら本当に大声で悲鳴でも上げてれば、少なくとも……その、最後までは」
「ですから、それは私自身が一番意外だったんです」
「?」
「暗い部屋のベッドで、男の人に抱かれようとする自分。本来なら、私のトラウマが全力で警戒音を打ち鳴らす場面です。それなのに――」
潤んだ瞳で俺をじっと見つめて、夏輝さんは続ける。
「私、受け入れてしまいました。不思議な安心感と、奇妙な高揚感に包まれたまま、結局は最後まで、お兄さんののことを」
「……」
それに対して、俺はなんと言ったらいいのだろう。あくまで俺は、彼女にとって復讐の相手。
なのに、夏輝木葉の今の眼差しは、まるで……。
「たぶん、私……お兄さん以外の男性と、身体を合わせることができないと思います」
「え?」
「お兄さんを受け入れた時、私はその様に実感してしまったんですよ」
「……」
とすると、彼女の望むこととは……?