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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
「?」
肩をポンポンと叩かれて、隣を向こうとすると。
ツン、と夏輝さんの指が俺の頬に埋まる。
「あははは!」
小学生じみたベタな悪戯の成功に、屈託なく彼女は笑った。
「爪伸びてるから、少し痛い」
「人の話を無視した罰です」
罰という言葉に、少しモヤモヤとしたものを感じる。
「無視したつもりじゃないけど」
「じゃあ、もう一度。あのラブホに寄っていきませんかって」
「うーん……」
「嫌なんですか、私とラブホ」
「嫌、というか……気が進まない」
そう言った途端、言い方が不味かったと感じた理由を、直後の夏輝さんの言葉にわからされてしまった。
「四年前の私が、気が進んでいたとでも?」
「ごめん……」
俯いていると、後ろからクラクションを鳴らされた。既に前の車が走り去っていることに気づき、慌てて車を発車させた。そうして仕方なく、夏輝さんの言っていたホテルの方に向かう。