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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
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「……」
「……」
帰りの車中は、とても気まずいものとなった。
夏輝さんは頬杖をつくと、窓の外をぼんやりと眺めている。信号で停止した時、ふとガラスに反射した彼女と目が合い、俺はそっと視線を前に戻した。すると――
「やっぱり、私が――」
「違うって!」
思わず語気を荒げて、彼女の言葉をかき消してしまった。
「ごめん……でも本当に、夏輝さんが気にすることじゃないんだ」
「そうですか」
その言葉が投げやりなものに聞こえて、俺はそれが嫌なのに、他に言葉をかけてやることができない。
あの後、ホテルの部屋では――。