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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密
△ △
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ――。
そんな淫らな音を鳴らしながら、俺の前に跪いた彼女は、懸命に口での愛撫を続けてくれた。きっと、そんな経験はなかったろうに。
それでも辿々しい舌先を、しょげ返った男の部分に丁寧に這わせ、更には口に含み緩やかに前後動を繰り返すと、硬直を促してくれた。
そんな姿を健気と思い感動すら覚えるからこそ、逆に俺は打ちひしがれていく。男を立たせようと焦るほど、その気配が絶望的なくらい遠のいていくのがわかった。
「夏輝さん……もう」
ちゅぷ……。
「私が上手にできないから? きっと、つっちーや文水さんなら――」
今、それら名前を聞くと、余計に頭が混乱しそうだった。
「そういうことじゃない。只、俺が……」
「俺が、なんです?」
「いや……とにかく、俺のせいで」
「どちらのせいかと言ったら、それはやはり私のせいですね」
「違う! 夏輝さんが悪いわけがないだろ!」
思わずその身体を引き寄せ、抱きしめた――が。
「私にはお兄さんしかいないのに、そう思ったのに。そのお兄さんから拒絶されちゃった。なんだろうな、あはは……」
笑いながら、その声は沈んでいた。
「夏輝さん……だから、そうじゃなくて」
「いいんです……失敗、しちゃったかな」
「え?」
「いえ……独り言です」
彼女はそう言うと、バスルームへ入っていった。