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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
「いろいろ、ありすぎて、とても『無事』とは言えんな……」
我ながら呆れる。辛うじて、最後の一線だけは越えてないと言えばそうなのだけど、どう考えてもその一点をもって、何事もないと言い切れるはずがない。
特に今日――もう昨日のことだが、あのホテルの場面では気持ちとしては、やる気満々だったわけで……。
まあ今更、誤魔化してもしょうがない。他の三人について聞かれたら、皆のプライバシーに配慮した上で、あったことを話せる範囲で話そう。
そうした上で、俺の気持ちを問われた時に、なんと答えるべきか、それは俺にもわからないわけだが……。というか、そこが一番の難関か。
瑞月はこんな俺のことを、きっと蔑むのだろう。心は痛むが、これまでの俺のどっちつかずの行動を踏まえれば、それも仕方のないこと。
瑞月が俺に向ける気持ちも、それがあったとして、潰えることになるが、それについてはその方がいい。やはり俺にとって、血の繋がりはなくとも瑞月は妹なのだ。
そう思い込みたいだけ? 否、そうじゃない――はず。
寧ろ今、俺が頭を悩ませるべきことは、どうやって瑞月を自由にしてやるか、という点に尽きる。親父の溺愛ぶりが、倫理を越えて異常なものとは思いたくないが(これは息子としても)、そうでなかったとしても監視下に置かれたままでは、あまりにもストレスフルだ。