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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
瑞月が本当に兄妹を越えたものを期待しているとしたら、この様な現状が大きく影響しているのは明白。だからこそ、打破してやらなければならない。
瑞月には普通の人生を歩んでほしいから。
親父はたぶん、俺との決別の件は認める気がする。一度向き合いそれを告げた後で、瑞月のことをどう話すのか。決別を申し出た後で、俺の話に果たして耳を傾けるだろうか。否、今から弱気になってるどうする。
しかし親と決別して一人で生きるだけでも、今ここで想像する以上に困難の連続だろう。今やってる喫茶店バイトで、どうにかできる話じゃない。それも本気で考えなければ……。
バイトで思い出したわけじゃないけど、華火(かほ)ともあれ以来だったな。明後日には店に顔を出して、華火やマスターともちゃんと話をしよう。それにしても問題は山積だな、まったく……。
「作業にならないなら、こうしててもしょうがないか……」
俺は欠伸をしながら、ベッドへ倒れ込んでいく――。
そして、数時間後――。
「んん……!」
スマホのアラームは、七時半にセットしていたはず。だがそれを止めながら時間を確認すると、既に八時十分前。どうやら無意識の内に、何度かスヌーズ機能に甘えてしまったようだ。