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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
「どうしたんだ、その髪?」
車を走らせながら、とりあえず聞いた。
「元々、自分でも気に入ってなかったんだ。元の髪色に近いヘアカラー選んだつもりだけど、金髪からだと、なかなかイメージが難しくて」
そう言い、艶やかな髪を指の間に通しながら。
「どう、かな?」
少し不安そうに、瑞月は聞いた。
「まあ、元の瑞月だよ」
「なに、その言い方?」
「つまり……その方が、いいってこと。それも断然」
「そっか、へへ。ならよかった」
こんな風に笑う瑞月も、いつ以来だろうか。
そう言えば先週、熱を出した時も、確かこんな風になっていたけど。
そう考えた途端、俺は既に行動に移っていた。
「え? なに?」
「いや、また熱でもあるんじゃないかと――でも、大丈夫そうだな」
俺はそう言って、瑞月の額に当てた手をハンドルの戻した。
「ないよ……。ビックリするじゃん、もう」
「悪い。なんだか、ここ数日と様子が違ったから」
「それは……」
「その髪といい、なにかあったのか?」
俺は純粋に、妹の心境の変化に興味を抱いただけなのだが。
「お兄ちゃんて、そういうとこあるよね」
瑞月からは、ジトとした目で睨まれてしまった。