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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
妹がそんな状況下に置かれていることも知らずに、俺はさっさと一人で家を飛び出してしまった。今更だけど、瑞月に恨まれたとしても、それは仕方のないことだろう。
これは益々、なんとかしなければならない。
「瑞月、今日のところは諦めよう。目立ったことをしなければ、干渉してくることはない。別に気にせず、普通に――」
「目立ったこと、するかも」
「いや、変に親父を刺激しない方がいい。俺が必ず、後で話して――」
「後でじゃ、ダメ。私は今日って決めてるから」
「決めてるって?」
「それは……監視を振り切ったら、言う」
「振り切るってもなぁ――と、そうこうしてる間に、もう次の駅に着くぞ」
新幹線なら、ほんの十分足らずの道のりだ。
すると、瑞月は――
「じゃあ、降りようか。なるべく人の波に紛れてさ」
「だから、そんなことをしても無駄だって」
「いいから、言う通りにして」
そう言いながら、瑞月は自分のスマホを座席の隙間に押し込んだ。