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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
「で、この先どうするんだ」
「すぐに折り返して、車に戻るのは?」
「車はマークされてる可能性がある。監視が二人とは限らないし」
「じゃあ、どこでもいい。ほら、行こ」
「お、おい」
瑞月に手を引かれて、俺たちは駅の外へ。とりあえず駅に程近いショッピングモールの中を、あてもなく歩いて行く。
モール内では、なにやらイベントが企画されているようだ。夏休みということもあって子供や家族連れが、朝から多数詰めかけている。
その人波に抗うように進みながら、俺はさっきから繋がれたままの手が、どうにも気になってしまった。
「瑞月、そろそろ離さないか」
「なに?」
「だから、手」
瑞月は立ち止まり、繋いでいる手をなんとなく眺めた。
「いいじゃん、別に。子供のころは、よくこうして歩いてたし」
「もう、子供じゃないだろ」
「嫌、なの?」
「嫌というか……照れくさい」
「それって……相手が、木葉たちだったら……?」
「え?」
「うんん、なんでもない。それより喉乾いちゃった。なにか飲もうよ」
「あ、ああ」
俺たちはフードコートで飲み物を買い求め、一休みすることにした。
「もう、ホントにハラハラしちゃった。あんな風に監視を巻くのって、初めてなんだもん」
瑞月はマンゴージュースを口にして、嬉々としてそう話している。
「でも、よかったのか」
「だから、スマホはいいってば」
「そうじゃなくて」