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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
「悪い悪い。だけど、そんな瑞月のことも、俺は可愛いと思うけどな」
「は?」
「それなのに急に『お兄ちゃん』『お兄ちゃん』言い出したかと思えば、『私の初めてを貰って』とか」
「ちゃ、茶化すな! 私がどんな気持ちで、そう言ったのか。涼一になんて、わからないんだから!」
「だったら、教えてくれ」
「え?」
「俺が離れてから、お前がどんな想いをしてきたのか。ちゃんと知っておきたいんだ」
「それって……兄としての、責任でしょ。結局、私のことは妹としか……」
「わからない。だけど、これだけは約束する」
「約束?」
「ああ、お前の気持ちにちゃんと向き合った上で、もし素直になった瑞月が同じことを望むのなら、今度はちゃんと答えを出すよ」
長く沈黙した後で、瑞月はポツリと言った。
「……わかった」
「ヨシ! と、いっても今日はデートだ。ここで、ずっと話し込むわけにもいかないな」