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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第2章 コーヒーはブラックで
とりあえず、そう返事をした後で、慌てて聞く。
「そ、それより、大丈夫だった?」
「まあね。フフ、でも驚いちゃった」
「ごめん……まさか、ここで寝てるとは思わなかったから」
「いいけど――」
伸びてきた手が、右の頬に触れる。薄暗い中でパチリと瞬く、微弱な光を宿した瞳に見据えられているのだと気づく。
「――片付ける? それとも、別のことをする?」
そんな風に問われ、心臓がドクンと脈打っていた。
「べ、別の――って? かっ、片付けるよ。決まってるだろ!」
「ウフフ、じゃあ、どいてくれないかなぁ。さっきから管理人さんの、コレ、膝かな? 微妙なところに当たっちゃってるの」
じわりと右膝の辺りが、挟み込まれた。そうしたのが彼女の両の太ももで、言われた通り膝が微妙な位置に当たっていると察し、急ぎソファーの上から飛び退いた。
「と、とにかく電気を――」
パッ、と室内に煌々と照明が灯る。周りに食材が散らばったソファーから、高坂さんがゆっくりとその上体を起こした。相変わらず、露出の高い軽装。
そして、自分の傍らに転がっていた玉ねぎを拾い上げると、こちらに笑顔を向ける。
「管理人さん、ご飯食べたの?」
「いや、まだだけど」
「じゃあ、ちゃっちゃと作っちゃおっか」
高坂文水は言って、後ろ手に髪を纏めた。