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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 大学生になって一人暮らしを始めた。不安がなかったわけではないけど、最初はワクワクする気持ちの方が強かったと思う。そう、私は高揚していた。

 一人暮らしをすると決まってから、少しずつお母さんからお料理を習ったりもしていた。まだレパートリーと呼べるレベルのものは少なく、三日もすればメニューが一周してしまう程度しかない。調理もそうだけど、買った材料を使い切ることも、とても難しかった。

 他にもゴミを出すだとか、部屋の片づけだとか、水回りのお掃除なんかも、そう。慣れないことだらけで、大変だったりした。大学での勉強が忙しい時は、お料理もお掃除も、ついついサボりがちになったりして……。

 それでも、やっぱり一人暮らしをして、良かったと感じることの方が多かった。大変なことを不自由だと思うのではなく、自由でいられるからこそ大変なこともあるのだと、段々そうやって考えることもできた。

 大学生になって、初めての友達もできた。高校時代以前にも友達は何人かいたけど、私に対して――というより、私のお父さんに対して、ということだったのだろう。どこか遠慮がちに、それでいて当たり障りなく、希薄な関係だったように思う。

 でも、彼女は少し違った。講義室で、私の隣に座ったかと思えば。

「ねえねえ、これから仲良くしようよ。私、夏輝木葉っていーます」

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