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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 複数の男の先輩に囲まれた彼女は、どこか艶やかな笑みを浮かべていた。私と違ってふくよかな胸元は、下品でない程度に開かれていた。先輩たちの視線が、チラチラとそこに集まっているのがわかった。

 更に、木葉からこんなことを聞いた。

「つっちー、彼氏できたみたいに言ってたのにー。もう、なんだか危なっかしーなぁ……」

 どうも、思ってたタイプとは違うみたい。そう思った私は、冷めた口調で木葉に言った。

「ああいう女(ひと)なんでしょう。もう、私たちだけで帰ろ。こういう雰囲気、やっぱり苦手。木葉だって帰りたいんじゃない?」

「まあ、そうなんだけどさ……」

 と、木葉はまだ松川さんの方を気にしていたけど、私はなんか裏切られた気分だった。男の人からチヤホヤされて、本人も満更でもない様子だ。

 そして、最初に思ってたのと違うと、決定的に感じたのは、この後で〝良くない噂〟を耳にしたからだ。

 虫も殺せないような顔しているのに。きっと、あんな子のことを〝魔性の女〟というのかも。松川土埜、彼女に対して私の印象は、最初とは全く違うのものになっていった。

 そして、もう一人。このコンパの席には、目立つ女(ひと)がいた。

「もう、いい加減にして! そんなことばかり言うなら、もう話してあげないから!」

 私と木葉の座る、斜向かいの席からその声は聞こえた。彼女がしつこくアプローチされている場面は、なんとなく目には留めていたけど。

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