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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 その彼女は自分の席を立つと、周囲を少し見渡した後で、なぜか私たちの席の方にやって来たのだった。

「ごめんね、変な空気にしちゃって。このまま帰るのもなんだから、少しここで飲み直していい?」

「ええ、どうぞどうぞ。先輩、ですよね?」

 木葉がそう聞くと、彼女はビールの注がれたグラスを、くっと煽ってから言った。

「たぶん、あなたたちと同じ。一年、だよね?」

「あ、そうなんだぁ。ごめんなさい。でも、お酒飲んでるし?」

「二人は、飲まないの?」

「エヘヘ、実は家とかなら少しぐらいは。今日は流石に、お店ですしー」

「そうだね。ちなみに私は二十歳だから、アルコールオッケーだよ。文学部の高坂文水、よろしくね」

 高坂さんはそう言った後で、グラスのビールを飲み干すと、すぐにその場を後にした。

 あか抜けてるし綺麗な女(ひと)だとは思ったけど、サバサバとした雰囲気がちょっとだけ苦手だとも感じていた。

 そして、松川さんと同様に、高坂さんの〝良くない噂〟も耳にすることになるのだけど、それはこのコンパから間もなくのこと。

「ねえねえ、こんな隅っこにいないで、一緒にお話ししようよ」

 高坂さんが去った後、私と木葉の席に来たのは、いかにもチャラチャラしたタイプの三人の先輩だった。

 そしてその後、私を巡りトラブルが発生することになった――。

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