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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
「ごめんごめん! オイ、お前らがっつきすぎ。岸本さんに注意されちゃっただろ」
「お前に言われたくねーよ。まあ、それにしても、ついにこの時がって感じじゃね?」
「それな。ずっとこの席に来るタイミング窺ってたし。流石にシラフじゃ無理っしょ」
こちらに好奇な目を向ける先輩たちを不思議に思い、私は聞いた。
「それ、どういう意味です?」
それに対して、一人の先輩は言った。
「だって岸本さんって、あの岸本英次の娘さんなんでしょ? そりゃあ、コッチもビビるって」
ああ、そうか。私は納得した。さっき向けられた目も、そういうことなのだと。それなら高校時代まにでも散々。だけど――
「別に、私自身は普通です。変に意識しないでください」
一人暮らしを始め、友達もできた。そんなことが少しだけ自信になったのかもしれない。
「ええ、そうなの。じゃあ、瑞月ちゃんて呼んでも大丈夫?」
「うーん……まあ、それくらいなら」
「おおっ、やった!」
こんな場面くらい、これからは適当にやり過ごせるようにならなければ。私はそんな風に思い、その後も必死に先輩たちの相手を続けた。
すると、暫くした時だった。
「いやーっ、瑞月ちゃんとお近づきになれて、ホント幸せ!」
そう言った勢いのまま一人の先輩が、右手で私の肩を抱いたのだ。
「ちょ、ちょっと……!」
当然、私は身体を強ばらせて抵抗しようとした。
「オイオイ、流石にそれはやりすぎだって。お前、飲み過ぎ」
「トイレ行って頭冷やすぞ。ホラ、俺らもつき合ってやるから」