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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
幸い他の二人がそう言って、その先輩を連れ出してくれたので、その場はそれで治まった。
「瑞月、大丈夫?」
「うん……なんとか」
「ごめんね。私が全然話せなくなっちゃったから、無理させちゃったよね」
「ううん、私も少しはこういう雰囲気に慣れなきゃって思っただけ。でも、やっぱり苦手かも。男の人とあまり話したことないもん」
「私も無理だ……今日、はっきりわかった」
木葉はそう言って、普段の彼女らしくもなく、疲れたように項垂れた。
「少し意外。木葉も、そういう免疫ないの?」
「私は、違くて……実は……」
「うん……?」
そしたら、神妙な顔をしていた木葉は、一転ニッコリと笑って。
「女の子の方が、好きだったりしてー!」
と、急に私に抱きついた。
「ええ、ホント?」
「あはは! ホントだったら、さっきの先輩と同じ――ううん、もっとひどいセクハラになっちゃう? ホレホレ」
そんなことを言いながら、木葉は頬と頬をくっつけスリスリと擦り合わせた。
「もう、木葉ってば」
私は呆れ半分にそう言いながらも、そんな木葉のことを可愛らしく感じた。
さっきの先輩たちはトイレに行った後、席に戻ってくることはなかった。かなり酔っていたし、きっと帰ったのだろう。この時は、そんな風に思っただけだった。