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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
そう言えば、木葉からこんなことを聞かれたのも、この時だ。
「ねえ、瑞月って兄弟とかいる?」
私は微妙な間を取った後で、こう答えた。
「まあ一応……兄が一人」
「ええ? 一応って、なんだよー」
「だって最近、全然会ってないもん」
「ふーん、今どうしてるの?」
「大学やめて、お父さんの別荘で引きこもり中」
「別荘で引きこもりって……やっぱ、瑞月ん家ってスケールが違うね」
結局、この会話やコンパに参加したことがきっかけとなり、私は三人を連れお兄ちゃんの別荘に行くことになった。でも、そうなる前には他にも事情があって――。
それは、あのコンパから数日後のこと。
「ねえねえ瑞月、ほらあの人たち――」
「あ」
キャンパスを歩いている先で見かけたのは、コンパで私たちに絡んできた三人組だった。
「どうする? 気づかれる前に隠れよっか」
「でも、一応はサークルの先輩だし。別に思い切り嫌なことされたわけでもないから、軽く挨拶だけはしようよ」
「ま、瑞月がそう言うなら」
そんなわけで私と木葉は、三人とすれ違うタイミングで挨拶をした。
「この前は、どうも」
だけど、相手の反応は、とても意外なものだった。