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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
変だと感じていたのは、その時だけじゃなかった。よくよく考えてみれば、それ以前にもおかしなことは沢山あった。
部屋が妙に片づいているように感じたこと。台所にあった生ゴミが綺麗になっていたこと。たまっていたはずの洗濯物が、いつの間にかクローゼットの中に整理されていたこと。
普通の人ならあり得ないことだけど、そんなことを深く気に留めなかったのは、私があまりにも世間知らずだったせい。それは、身の回りのことの一切を使用人たちに任せてきた、十八年間の代償ともいえる。
そんな私は、とっくに私生活を干渉されていたことに気づくのが遅れた。だけど、コンパの席で私に絡んできた先輩たちの態度の変化には、既視感があった。間違いなくお父さんが裏で手を回した結果だろう、と。
つまり、私の生活は監視されている。きっと、なにからなにまで。そう考えるしかなかった。
それから私は、周囲を警戒するようになる。キャンパス内では、木葉にも協力してもらった。その結果、やっぱり自分が厳重な監視を受けていることを思い知ることになった。
時には男性、時には女性、同じ学内の学生だったことも、複数のグループに見張られたこともあった。そして一番ショックだったのは、その監視してる何人かが、同じマンションの同じフロアに住んでいると気づいた時だった。