この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 瑞月自身が、どこまで意識して口にしたものかはわからないが、問題の本質はやはりそこなのだろう。

「ホントにな」

 兄として情けないことだが、今は相槌程度の言葉しか出てこない。でも、様々な可能性は思慮しておかなければ。

 たとえば、瑞月が将来を共にする相手は、自分で決めようという腹積もりではないのか。積み上げたキャリアとしては革新的なイメージでやることもイチイチ派手だけど、それでいて古風なところを持ち合わせているというのが、息子としての印象だ。

 そう考えていても不思議ではないし、親とすれば理解できなくもないが、どの道、瑞月の意志を蔑ろにしてることには変わりない。

 いつまでも綺麗に、自分の掌の上に置いておきたい。実際は、この気持ちの方が近い気がしてしまう。その上で、どうしたいのか。まさかとは思うが、母親のスペアのように思って――?

「どうかしたの?」

 嫌な考えを振り払おうと頭を振った俺を、不思議に思ったのだろう。

「流石に飛躍しすぎた」

「飛躍って?」

「いや、なんでもない」

 確証もなく、こんな話を瑞月に言えるはずもない。

 だが、瑞月は別の角度から、この「飛躍」という言葉に、引っかかりを覚えたようだ。

「私だってさ、抵抗がないわけじゃないよ。血の繋がりはなくても、ある時期まで確かに、涼一は私の『お兄ちゃん』だったわけで」

「そうだよな」

「だけどさ……今までのように圧倒的に狭い視野の中で生きてきて、その息苦しさに耐えかねそうになってて、他に頼るべき人……打開する方法だって、いくつもはないって思っちゃうよ」

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ