この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 俺は昔の場面を思い返そうとする。あの時、俺はどう思いどう感じていたのか、振り返っておきたかったから。

 俺が中学に上がった頃で、瑞月はまだ小学六年生。それまで同じ場所に通っていた時と異なり、送迎の車も別々になると、帰る時間も俺の方が遅くなることが増えた。

 更に親父から自室の使用を許可され、家に帰るとそこで一人で過ごすことが多くなっていった。そんな時はたまに、ドアをノックする音が響く。


     △     △


 コン! ――コンコン。

 強く一回、それから間を置いて、弱く二回叩く。別に決めていたわけではないけど、それは瑞月のノックの仕方だった。

 それを聞くと俺はドアの前に立ち、フッと一つ息をしてからドアを開くのだ。

「いいなあ、私も早く自分の部屋使いたい」

 瑞月は俺の顔も見ずに部屋の中を覗き込むと、そんな風に言った。

「中学になったら使わせてもらえるよ。それも、ここより広い部屋が与えられると思う。父さんは瑞月に甘いから」

「狭くてもいいよ。私も自分だけの空間が欲しいの」

「そんな話をしにきたのか?」

 するとドア枠に寄りかかっていた瑞月は、右足をパタパタとさせ空を何度か蹴った。そして、いかにも文句があるように顔を背けたまま、こう言うのである。

「だってお兄ちゃん、ずっと部屋にいるから。朝、顔見ただけで、今日はまだ一度も話してないし……」

「仕方ない……だろ。テストあったりいろいろで、勉強だって――」

 じっ……。

 瑞月に見つめられ、俺は下手な嘘を続けることができなかった。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ