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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
「明日帰ったら、ゲームでもしよう。だから今日は寝ろよ。もう十時だぞ、小学生」
「まぁた、そうやってすぐ子供扱いするー」
「実際、子供だし」
「じゃあ、ちょっとコッチ来て、立ってみてよ」
「なんだよ、急に?」
「いいから! ――そう、そのまま私の方を見て、真っ直ぐに」
瑞月に言われるまま、ドアのところに俺たちは向き合って立った。お互いの呼吸が、ふっと吹きかかるくらいの距離で。
「ほら、ね?」
「なにがだよ?」
近距離で淀みなくこちらを見つめてくる瑞月に対し、俺は視線を泳がした。
「私の方が、少しだけ高くない? ――身長」
どうやら瑞月がしたかったのは背比べ。子供扱いされたとムクレて、こんなことをするところが、ますます子供っぽいことに本人は気づいていない。
だけど実際、当時から瑞月はすらりと手足が長く、同年代の子の中では成長が早かった。対して本格的な二次成長期を迎える前の俺は、クラスの中でもまだ小柄の方。
真っ直ぐに立つと、視線の位置がまるで同じになった。瑞月は平たくした自分の右手を、何度か二人の頭の上で行き来させ、楽しそうに笑った。
「ほらほら、ちょっとだけど私の勝ちー」