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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
結果として十センチ以上、引き離す未来をまだ知らない当時の俺は、そんな瑞月の態度にムキになってしまった。
「手の動きが斜めなんだよ。――だから、平行に動かせって。つーか、お前、少し背伸びしてね?」
「してないよ! だったら、もっと近づいてみて!」
そんな風に、じゃれ合っていた時だった。
――プニ。
「!」
その感触が、成長を始めていた乳房のものだと気づく。それはまだ微かな膨らみであったけれど、部屋着のタンクトップの無防備な胸元は、おそらく下着の保護を受けずに、あるがまま浮かび上がった形が、なんだか妙に艶めかしく思えて――
「お兄ちゃん、どうかした?」
「いや……別に」
「じゃあ、もう一度ね」
「いいよ、瑞月の勝ちで……。だから、もう寝ろ」
不愛想に言ってドアを閉ざした後、俺は暫くそのまま立ち尽くしていた。