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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
すっかりしょげ返って、瑞月は言った。
「ねえ……もう、いいよ」
「どうした?」
「もう子供じゃないのに……こんな風に駄々をこねる妹なんて、可愛くもなんともないよね。涼一がそう感じるなら、もうほっといていいから」
「そう言われて、ほっとけるかって、逆に」
「そういうのだって、結局は妹だからじゃん……」
「ああ、もう! お前、本当に可愛くないぞ!」
「だから、そう言って――」
瑞月の言葉をかき消すように、俺は言った。
「ドキドキしてたよ!」
「えっ……!?」
頭を掻きながら、続けてこう話した。
「さっき手を繋いだ時も、家を出る前にキスした時も、なんなら事実を知った後、中学の頃なんて、ずっとそうだったと思う」
「私に……?」
俺は小さく頷き。
「今にして思えば、そうだった。ずっと、不思議な感覚は残ってたんだ。俺の妹が、どんどん違うなにかに変わっていくような気がしていて。家を出る前の何年かは、特にそういう気持ちが強かった」