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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
△ △
『私です……。こ、この度は、私どものような零細企業に足を運んでいただきまして、大変恐れ多く――』
『つまらん挨拶は抜きでいい。詳細は書面で伝えた通りだ。悪いようにはしない。賠償を肩代わりして、先方とも話はつけよう』
『あ、ありがとうございます』
深々と頭を垂れた社長には目もくれず、その後ろで立ち竦んでいた五月女さんに、親父は目を留めたのだという。そして――
『その娘は?』
『わ、私の一人娘です。まだ学生ですが、バイトがてら仕事を手伝わせている次第でして』
『そうか。よかったら、俺の元で経験を積ませてみないか』
『は? それは、どういう――』
『同じバイトをするでも、その方が有意義だと言っている』
『しかし……』
『気が進まないなら、断ればいい。別に、今回の件とは無関係な話だ』