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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
「そ、そんなことはないよ」
「ふーん……で、なんの用だった?」
「ああ、やっぱりスマホのこと、監視役に気づかれたみたいだ。それで、五月女さんの方から、探りを入れてくれって、そういう話らしい」
「それで、五月女さんは信用できるの?」
「大丈夫だよ。俺たちが今いる場所も聞いてこなかったし、当面は連絡がつかなかったことにしてくれるって」
「でもさ。私のスマホが追跡されるなら、お兄ちゃんのスマホだって危ないんじゃない?」
「まあ、俺の場合は、もう放置されて長いわけだし。つき合いのある相手なんて、それこそ限られるし」
自分で言っておいて、やや虚しくもあるが。
「まあ、いいけど。それで私たち、この後どうするの?」
「この辺りは目星をつけられやすい。とはいえ駅に戻るのは当然リスクが大きいしな。とりあえず、レンタカーでも調達しよう。ほら、瑞月」
「……」
立つことを促してみても、瑞月は動こうとしない。
「どうした?」
「そうやって逃げて、今日一日をやり過ごして、それになんの意味があるの?」