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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
「ここ、誰の部屋?」
まだ訝しげにしてる、瑞月から聞かれた。
「このアパート、バイト先の常連客がオーナーなんだ。普段は誰も住んでないから、用がある時は自由に使っていいって言われたことを思い出してさ」
電気は既につけたし、水もガスも使えるようだ。築十年といったところだろうか。普段、人が住まないから生活感はないけど、ベッドやローテーブルの他にテレビや食器棚があり、それなりに物は揃っているようだ。
「ふーん……そっか」
世間知らずの瑞月故に、俺の怪しい説明にそれ以上、突っ込むこともない。今は所在なく立ち、部屋の中をなんとなく見渡す。
室内は全体的に、思ったよりも清潔感はある。が、蒲田さん(は、四十少し手前の男性)が〝奥さんに内緒〟で使っている部屋と考えてしまうと、どうにも複雑な気分だ。
まあ逆にこれだけ生々しい環境の方が、瑞月の真意を確かめるためにはいいのかもしれない。
『アレなら、クローゼットの中にあるから、勝手に使ってねー』
電話での蒲田さんの言葉を思い出し、クローゼットの扉を開く。と、上段に置かれた小物用のキャビネットの引き出しを開けた。すると、その三段目に何種類ものコンドームの箱が……。