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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
「あのな、瑞月。瑞月とそうなるにしても、俺は今日である必要はないと思っている。だがそれでも、どうしてもというなら、俺をその気にさせてもらわなければな」
「……なんで、今日じゃダメなの?」
「ダメじゃなくて、嫌なんだ。瑞月とそうなることが、じゃなくて。瑞月の可能性が閉ざされたまま、なし崩しにそうなってしまうのが、俺は嫌だ。絶対後悔することになる」
「閉ざされたままだから、開けてほしいのに」
「そのための手段が、こういうことなのか」
「じゃあ、いつまで私は耐えればいいの?」
「必ず変えてやる。今は、そのチャンスを待つんだ。そして可能性が広がった上で、それでも瑞月が俺に同じことを望むなら、その時は必ず――」
そう言いながら、ふと気配を感じて、俺は顔を上げた。すると、その時にはもう、瑞月の顔が目の前に迫っていた。
ベッドに座った俺に、それは降り注ぐようなキス。それをして、唇を離すと瑞月は言う。
「もう、疲れたよ。楽になりたいんだ。それに、気持ちなら――」
「気持ち……?」
「ううん」
瑞月はそう頭を振った後で。
「シャワー」
「え?」
「使えるんだよね?」
「……たぶん」
「じゃあ、浴びてくる」
そう言うと、瑞月は一旦バスルームにその姿を消した。