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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
石田くんは同じクラスで、サッカー部に所属していた。放課後はすぐに練習に行ってしまうし、部活で疲れているのか休み時間(たまに授業中も)は居眠りをしてることも多いので、ほとんど話したこともなかった。
私は石田くんが言ったように、気を許せるような友達はいない。そんな私を見ていてくれたことは、正直嬉しかったけど……。
「あの、私のお父さんのこととか、気になったりしない?」
「ええー、なんで? 周りがなんやかや言ってるのは知ってるけどさ。俺は、好きになるのに、そこは関係ないと思うし」
そう言って少し照れくさそうに、石田くんは頭を掻いた。
「そう、なんだ」
それにつられるように、私も自分の頬が熱くなるのを感じた。
「それで、どう?」
シンプルに聞かれて。
「どうって……こんな時、どうすればいいのか、私わかんなくって」
「とりあえず返事だろ。オッケーなら、つき合うってことで」
「そっか……」
確かにドキドキしていた。でもそれは、異性とつき合うという、これまで考えなかった世界を覗き込んだ時の高揚だったのかもしれない。
「でも、私……一緒に帰ったり、無理だよ。自由にさせてもらえないこと多いから、外で会ったりもできないと思うし。だから――」
「いいよ」
「え、でも」
「最初はこうして話せるだけで全然。学校の中で二人になれる場所探したりしてさ。それだけでも俺は楽しいと思うから」
「返事……少し、考えさせてもらってからで、いい?」
「もちろん、よく考えてくれよ」