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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
そうして私は、告白の返事を持ち帰ることになった。
そして、その夜のこと。
コン! ――コンコン。
思い悩んだ私は気がつけば、涼一の部屋のドアをノックしていた。
「なんだよ」
この頃、涼一の態度が少し冷たくなっていたようには、感じていた。
「そんな風に、面倒そうな顔しなくてもいいじゃん」
「してないよ。なにか用なのか?」
「うん。ちょっと相談というか、なんだけどさ」
「じゃあ、入るか」
「うん」
涼一の部屋に入るのは、久し振りな気がした。元々シンプルな部屋だけど、それにしてもやけに片づいていると感じた。でも、その時は深く考えることはしなかった。
「それで、相談とは?」
「あ、うん……相談というと、大袈裟なんだけどさ」
ベッドに腰かけた私は、足をパタパタさせながら、どう話したら迷った挙げ句に。
「お兄ちゃんは、好きな人とかいないの?」
「なんだよ……相談て、そっち系か。同じクラスの奴? まさか先生とか言わないよな」
「な、なに勝手に話すすめてんの?」
「だって好きな奴ができたんだろ? それとも告白されたのか?」
「ち、違う違う! そんなこと言ってないじゃん!」
私は咄嗟に、本当のことを打ち明けることができなかった。