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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意

 結局、自分からはぐらかしてしまった。ちゃんと相談したら、どうなっていただろう。石田くんに告白の返事ができないまま、二週間近くの時が流れていった。

 なのに石田くんは催促することもなく、たまに目が合うとニコッと微笑んだりする。流石にもう返事をしなければと、私はまた涼一の部屋を訪ねようとした。

 その時点で、薄々、どうして返事に躊躇するのか、自分でも気づいていたと思う。普通の子みたいに、自由にできないからではない。他の人と恋する自分を、涼一に知られたくなかった。だから相談も、中途半端になって……。

 その気持ちがどこから来るのか、それはわからなかった。だけど中学一年生の時、お父さんとお母さんの真実を知ることになってから、それは徐々に育まれていった想い、だろう。

 ある日、私の隣にいた人が、ずっと一番近くにいた人が〝本当のお兄ちゃん〟じゃないと、わかった。ショックだったけど、なにがどうショックなのか、心の中で噛み砕くことができなかった。

 お兄ちゃんは、知っているのかな? それを確かめようとしながら、時が過ぎるほどに確かめられなくなった。自分の中に、今までと違う気持ちが段々、少しずつだけど、でも確実に、大きくなっていくような気がしていたから。

 それが、怖いようでもあって、嬉しいようでもあった。

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