この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


 それを聞いて、私の中にも様々な感情が渦巻く。私が家族だと思っていたものを、涼一が否定しようとすることも。私に対して、気持ちを向けてくれないことも。どこか悲しくて……。

 私はもう、泣き出しそうになった。

「だって……今まで……それで、家族は……ずっと、幸せに」

「そんな誤魔化しの幸せが、嫌になったんだ」

「だから……出て行くの?」

「そうだ」

 きっぱりと言う涼一を見て、私は涙を堪えられなかった。

 その涙を指で拭いながら、涼一はこう言うのだった。

「気づいているのか? 俺は瑞月に、キスをすることだってできるんだぜ」

「な、なんで……そんなこと……?」

「そういう可能性だって、あったって話だ。親の都合で、俺たちの可能性が消されるのを、黙って――」

 そこまで言いかけ、涼一は言葉を濁した。

「たとえが適切じゃなかったな。とにかく――」

 私はそのまま、この話を終わりにしたくは、なかった。

「今でも、〝ある〟よ」

「瑞月?」

「〝あった〟ではなくて〝ある〟の。だから可能性は、失われてなんかいない」

 私は顔を上げ涙を流したまま、涼一を真っ直ぐに見据えた。

 そして、言った。

/879ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ