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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意


「してみたら――キス」

「な、なに……?」

「キスしてよ。そしたら、この家から出て行っても、いいから」

 予想外の言葉を発して、それから――。

「……」

「……」

 無言で見つめ合うこと、数秒。

「……ん」

 私は、涼一にキスをされた。

 最初は、押しつけ合っただけ。すぐに呼吸が難しくなった。

「ふっ……」

 でも、自分から離れたくはなかった。角度を変え、噛むようにしながら、キスを続けた。

 すると――

「!」

 涼一の下が、私の口の中に入っていた。驚きながらも私は、自分の舌をゆっくりと合わせた。

 ちゅ、くちゅ……。

 自分たちの鳴らすいやらしい音を耳にして、また興奮を高める。

 私の身体を壁に押しつけるようにして、その後も暫く、私たちはキスをした。


 結果として、あのキスが、きっかけだった。

「ごめん……やっぱり、つき合えない」

 その次の日、私は石田くんに、そう言ったのだ。

「俺のこと、好きじゃなかった?」

 私は何度か、首を横に振った。

 好きになっていけそうな、そんな気持ちはあったと思う。でも、今は吹き飛んでしまった。

 涼一のキスが、そうしたのだ。


     △     △


 きゅっ!

 過去の想いに浸るのを区切るように、私はシャワーを止めた。

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