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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
丸田は時折コメントを確認しながら、話を進めていく。
「――というわけでですね。本日もゲストを迎えておりますが。はっきり言って緊張しております。まさかの超大物登場ですよ。まあ、一応二部構成でゲストは二組なんですが、豪華なのは前半登場の方だけでして、後半は只のボクサー崩れなんですけど」
すると「オイ!」と声がして、固定カメラから映像が切り替わり、スタッフが並ぶ中で、お揃いのジャージとボクシンググローブを身につけた三人組が映された。
すると、その中で一番ごつくてでかい男が。
「オイ、コッチ映すな! シークレットゲストだぞ!」
と、言うが。
「いいのいいの。隠そうが隠すまいが、どうせ大した数字持ってないんだから」
そう言う配信者に対し、また。
「オイ! ……まあ、その通りだけど」
と、ゴツい男が言い、他の二人がずっこけるという、台本なのかアドリブなのか、よくわからない件はそれで終わった。この三人組も、一応はそこそこ人気の配信者だ。
そしてカメラは、再び丸田に戻る。
「フフフ、ハイハイ進めていきますよ。というわけでですねー。最初のゲスト、こちらはマジで大物ですよ。まあ、SNSでもね、散々匂わしておりましたけども。おっ、コメントでも予想してる人いますね。――ホウホウ、島田総理? まあ、ある意味ではそれ以上の影響力を持っていると言っても過言ではない。どう、スタッフ――ご準備お方は? まだかな? ――オッケーオッケー、なにしろ多忙な方ですから。なんて言ってるところに――ああ! どうもどうも!」
突然、丸田は驚いたように視線を上げ、すぐに立ち上がると、ペコペコと頭を下げた。