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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第11章 瑞月の決意
横槍に怯むことなく、丸田は強引に続けた。
「私と、その後に生まれた女の子は、兄と妹として育てられました。その上、父の再婚の経緯やその他諸々の事情について、一切聞かされることもなかったのです。二人は兄妹であることを疑わずに、十年以上の時を過ごしました。しかし、やがて私たちは真実を知ることになり――」
「待てと言っているっ!」
再び岸本が中断を求める。今度はスルーできないほどの勢いだ。
「どうしたんです、キッシー? まだ、お悩みの途中ですよ」
「わかって、やってるのか?」
「わかってる? ああ、そうそう。私も読んでいてねー、似たような話あったよなー、なんて思ってたんですよー。実は今日ゲストのキッシーもね、再婚相手は身重の方だったんですよ。若い方はご存じないかなぁ。逢坂葉月さんという、綺麗なモデルさんでしてねー。既に妊娠されている時に、お二人は初めて出会われたんでしたよね? 当時はお腹の子の父親は誰だなんて、かなり話題に――」
ダン!
強くテーブルを叩く、岸本。
「だいぶ時間も押したようだ。そろそろ帰らせてもらおう。それと、今日の礼は、それ相応の形でさせてもらうことになると思うが」
「いやいや、礼なんて結構ですよ。それよりも、おおっ! 現在視聴者十万人突破! まだまだ増え続けています! ――と、これだけの人が注目してるわけですから、ご発言には気をつけていただかないと」
「誰だと思っている? 心得ているよ、そんなことは。とにかく、これで失礼する」
と、岸本は席を立とうとするが。